長崎県壱岐の地で、水産物の出荷・加工を手掛けるあかりや様。魚本来の価値を最大限に引き出すため、高品質な凍結技術に着目されました。今回は、超高速凍結機 ZERO-03(小型機)を導入された背景や、その活用方法、そして導入による成果について、代表の角谷様にお話を伺いました。
【凍結品目】 | 水産 |
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【導入機種】 | ZERO-03 |
【導入目的】 | 主に業務用のフィレ製品の加工に対応するため |
ライバルが簡単に真似できない付加価値を高める方向へシフトすること
当初から使用していたエアブラスト式では、アジフライや凍結刺身などを作っていましたが、もう一台急速急速冷凍機を探していました。ZERO-03(小型機)の導入目的は、主に業務用のフィレ製品の加工に対応するためです。この機種でなければ、今後業務用分野で競争していくのは難しいと感じたからです。
離島地域における事業者向け補助金を活用しました。補助率は3分の2と非常に大きかったため、導入を後押ししてくれました。
最も大きな優位性は、圧倒的な鮮度の保持能力です。凍結時間が非常に速く、エアブラスト式の最低でも6分の1、場合によっては8分の1程度の時間で凍結が完了します。
また、連続して使用した場合の温度の安定性も優れています。エアブラスト式は連続使用すると庫内温度が上がってしまい、本来の性能を発揮できなくなりますが、ZERO-03は連続で大量に投入しても温度上昇が非常に少なく、安定した低温で連続稼働が可能です。これにより、大量の製品を均一な品質で凍結できます。
ZERO-03(小型機)を導入したことで、年間12万パックという大規模なOEM(受託製造)の受注に繋がりました。この受注は、安定した品質での製造能力が必須条件であり、エアブラスト式の凍結機では対応が難しいと相手のメーカーさんも認識されていたため、ZERO-03があったからこそ実現できたものです。
また、原料を丸ごと凍結してストックできるようになり、漁獲が多い時期に原料を確保し、年間を通して安定的に加工品(アジフライなど)を製造できるようになりました。これも凍結機、特にZERO-03のような高性能な機種があってこそ可能になったことです。
目指しているのは、あらゆるロスをなくすことです。食品ロスはもちろん、スタッフの労働力のロスなども含め、ロスを削減することで最終的に販売価格に反映させ、生産性を向上させたいと考えています。
日本の沿岸漁業者は今後大きく減少すると予測されており、魚価は高騰し、その多くが中央に集約されていくでしょう。そうした未来を見据え、なんとかして浜で魚を買い付け、浜から全国、そして世界へ流通させられるような仕事を創りたいと考えています。
そのために、高品質な冷凍技術を活用し、冷凍加工しても生食に近い品質を保てるような製品(例えば冷凍寿司など)を展開していくことが重要だと考えています。
ZERO-03は、高品質な製品を安定して大量に製造できる能力を持つため、この将来のビジョンを実現していく上で不可欠な存在です。OEM事業で基盤を固めつつ、海外への輸出にも挑戦していきたいと考えています。
漁業が盛んだった壱岐の地で、水産業に将来性がないとは全く思っていません。むしろ可能性しかないと感じており、この技術を使って、浜の魚の価値を世界に伝えていきたいと考えています。