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冷凍豆知識

2023.12.08

冷凍保存した魚の日持ちはどのくらい?冷凍のコツや解凍方法を紹介!

保存

買ってきた魚は普段どのように保存していますか?鮮度が命といわれる魚ですが、そのために毎日買い続けるのは大変なうえ、スーパーの特売日にはついついたくさん買いすぎて冷蔵庫で余らせてしまうことも多いですよね。

本記事では、冷凍保存した魚の日持ち期間について紹介します。冷凍保存をすれば、買ったときと同じ鮮度、状態を維持して長期保存ができます。

適切な冷凍方法やおすすめの解凍方法なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

冷凍した魚の日持ち

基本的に、魚の冷凍の日持ちは2週間といわれています。家庭用冷蔵庫の場合、扉を開け閉めする頻度が多く庫内の温度も安定しないため、冷凍に適した温度の-18度を維持し続けるのが難しいです。

家庭によって冷蔵庫内の温度に多少の違いはありますが、基本的には2週間以内の消費を心がけましょう。

魚は肉や野菜よりも鮮度が落ちやすい食品とされており、食材の中でも水分が多く、身の肉質の弱さや内臓、エラの腐敗が早いのが特徴です。

2週間以上庫内で経過してしまうと、冷凍している魚にもさまざまな影響が生じます。長期保存しすぎると、冷凍庫内で魚の水分が抜けて表面が白っぽくなり、スポンジのようにパサついてくる「冷凍やけ」が発生します。

冷凍やけした魚を解凍しても焼けた部分は硬く、風味も元の状態よりも劣ってしまうため、使いやすいように少量ずつ分けて、2週間以内に消費できるように計画をたてるのがおすすめです。

冷凍保存の効果

食品を冷却すると、微生物による腐敗、化学反応や酵素反応による栄養素、色、味の変化、水分蒸発など、品質を低下させるこれらの反応を抑えられます。

そのため色や味、香りなど、食品が持つ本来の性質と状態を長く維持できるので、食品が余ってしまった際に冷凍保存はおすすめの方法です。

魚を冷凍保存する目的は腐敗や悪臭を防ぎ鮮度を保つことで、常温のままだと劣化し栄養価も落ちていきますが、冷凍保存によって酵素の活動や細菌の繁殖を防ぎ、栄養価もそのままの状態を維持できます。

種類別魚の冷凍方法


スーパーで販売している魚の種類には、青魚や白身魚、貝類や甲殻類などさまざまな種類があり、購入する場面によって1尾丸ごとや、切り身、刺し身などさまざまな売られ方がされています。

種類別に冷凍する場合の冷凍方法は以下の内容です。

1尾丸ごと冷凍する場合

  1. 頭、ワタ、えら、ウロコを取り除き流水で洗い流す。
  2. 魚の表面の水気をキッチンペーパーでしっかりと拭き取る
  3. 魚を乾いたキッチンペーパーで包み、冷凍用の密閉袋に入れ冷凍する。

切り身や刺し身を冷凍する場合

  1. 表面の水気をキッチンペーパーでしっかりと拭き取る。
  2. 冷凍用の密閉袋に重ならないように平らに入れ、冷凍する。
  3. 小分けにしたい場合は、少量ずつラップして密閉袋に入れる。

イカ

  1. 身を胴と足に分け、ワタを取り除く。
  2. 水洗いしてキッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取る。
  3. 解凍後の調理が決まっている場合は、調理法に合わせて皮をむいたり、細かくカットしたりしてラップに包み、冷凍用の密閉袋で冷凍する。

タコ

  1. 茹でだこの場合は、そのままラップして密閉袋に入れ冷凍する。
  2. 生の場合は塩でぬめりを取り、茹でてから冷凍する。

生のタコは茹でてから冷凍するとおいしさを維持できるうえ、解凍後の調理の手間も省けるのでおすすめです

貝類

  1. アサリやシジミは塩水で砂抜きをし、キッチンペーパーで水気をしっかりと取ってから密閉袋に入れて冷凍する。
  2. ホタテやホッキ貝は殻やヒモ、ワタを取り除いて貝柱のみの状態にする。
  3. 水気をしっかりとキッチンペーパーで拭き取り、密閉袋に入れ冷凍する。

貝についているワタやヒモなどは、傷みやすく、冷凍には不向きなので冷蔵期限内に使わない分は廃棄しましょう。

えび

  1. えびは頭や殻、背ワタを取り、水でよく洗う
  2. キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取り、重ならないように小分けにして冷凍用密閉袋に入れて冷凍する。

たらこ

  1. 表面に水気があれば軽く拭き取る。
  2. ラップで包み、冷凍用密閉袋に入れて冷凍する。

たらこはスケトウダラの卵巣を塩蔵したもので、元々賞味を伸ばすために加工されています。そのため解凍後はできるだけ早く食べるようにし、心配な方は焼いてから食べるのもおすすめです。

冷凍時のポイント

冷凍する際は必ず手を洗い、衛生的な環境で行うようにしましょう。下処理に使うまな板や包丁、菜箸などはアルコール消毒をしてから行うなど、徹底した衛生管理が大切です。

ほかにも、冷凍するにあたって重要な点は以下の3点です。

では、順番に解説します。

ウロコや内臓を取り除く

魚のウロコは固く、調理には向いていない部分です。また、魚の表面を覆っているため、雑菌がつきやすく清潔とはいえないので、解凍後の処理をする手間を考慮して必ず外してから冷凍するようにしましょう

内臓も腐りやすく、特に日にちがたって賞味期限が近くなっている魚はアニサキスが潜んでいる可能性もあるので、外してから冷凍しましょう

アニサキスは、寄生虫の一種で、幼虫はサバやアジ、サンマやカツオといった魚介類の内臓に多く寄生するのが特徴です。このアニサキスが寄生している生鮮魚介類を摂取してしまうと、人間の体内にアニサキスが侵入し、胃腸や腸壁に刺入し食中毒を引き起こします。

アニサキスによる食中毒は、食後数時間後から数十時間後にみぞおちの激しい痛みや、嘔吐を引き起こします。対処法としては、-20度で24時間冷凍するか、70度以上または60度で1分加熱しないと死滅しないので注意が必要です

アニサキスによる食中毒を起こさないためにも、なるべく冷凍する前から内臓を目視で確認して取り除くようにしましょう。

水分をしっかり拭き取る

冷凍保存は、水分がある箇所から酸化が始まります。酸化してしまうと表面が白っぽくなり、乾燥が進んでパサつきの原因にもなるうえ、おいしくなくなるので、注意しましょう

切り身の場合にはドリップを拭き取る作業も必要となっています。ドリップとは、魚から出る赤い液体のことで一見血のように見えますが、身の水分やタンパク質、うまみ成分が含まれている液体です。

処理しないと生臭さや魚の変色の原因にも繋がるので、しっかり拭いておきましょう。

隙間なく密閉保存する

魚には飽和脂肪酸という酸化しやすい成分が含まれており、冷凍する際に魚とラップの間に隙間ができてしまうと、水分と同じように空気に触れて酸化してしまいます

そのため、ラップで包むのもしっかりと全体が覆われるようにし、空気が触れないように密閉して冷凍するのが大切です。

解凍の種類

冷凍についての知識や方法を紹介してきましたが、ここでは解凍の方法について紹介します。解凍方法は以下の5つです。

では、順番に解説します。

庫内解凍

庫内解凍は、冷凍庫から解凍したい魚を袋ごと取り出し、そのまま冷蔵庫に移してゆっくりと解凍していく方法です。時期によって解凍時間は変化しますが、3,4時間で半解凍し、6時間以上で完全に解凍されます。

流水解凍

流水解凍は庫内解凍よりも解凍時間が早く、20分〜30分程度で解凍できる解凍方法です。

季節によって気温が変化していくので、解凍時間も変化します。放置してしまうと解凍しきったうえで水を流し続けるため、ドリップが出てしまい魚の状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、あまり長時間解凍しすぎないように注意しましょう。

氷水解凍

氷水解凍は、密閉袋ごと氷水の入ったボウルへ入れて冷やしながら解凍していく方法です。庫内解凍よりも解凍時間はかかりますが、0度を維持して解凍ができるので、鮮度を保ちながら解凍できます。

また、時間をかけて解凍していくので、魚から流れ出てしまうドリップの量も少ないです。

電子レンジ解凍

電子レンジ解凍はレンジの「解凍モード」を使ったやり方で、時間がないときにおすすめの方法です。手早く解凍できる一方、加熱むらを起こしやすいため、一気にではなく少しずつ時間を調節して解凍するようにしましょう。

電子レンジは固形よりも液体に強く反応する性質を持っており、半解凍されている魚を入れてしまうと一部の液体部分にのみ集中的に加熱がされて、結果的に加熱むらを起こす原因となります。

そのため電子レンジでの解凍の際には、冷凍庫から出したてのものを解凍するようにしましょう。

常温解凍

常温解凍は名前の通り、冷凍庫から取り出した魚をそのまま常温で自然解凍する解凍方法です。手間もなく簡単に解凍できる方法ですが、出したのを忘れることが多く、放置しがちになることが多いです。

常温で長く放置してしまうと、解凍が済んだ魚からさらに細菌が繁殖しやすく、食中毒などの危険が高まるので、魚の解凍法としてはあまりおすすめできません

これらの解凍法のほかにも、味噌汁の具材としてそのまま解凍せずに加えて加熱しながら解凍する方法などもあるので、調理用途に合わせて適切な解凍をしていきましょう。

まとめ

今回は魚の冷凍について紹介しました。冷凍保存をすると腐らず鮮度をそのままに維持でき、解凍後もおいしく調理できます。

冷蔵よりも腐らせずに済む一方で、家庭用の冷蔵庫は開け閉めが多く、適切な庫内温度である-18度を保ち続けるのが難しいためあまり長期冷凍はせず、2週間を目安に消費していくようにしましょう。

魚を大量購入したときや調理で余ってしまった際には、ぜひ活用してみてください。

この記事を書いた専門家(アドバイザー)

著者情報 ゼロカラ編集部

超高速凍結機、急速凍結機、液体凍結機、ナトリウム除去装置、凍結製造ライン設計の株式会社ゼロカラ

特許取得済み

“世界最速”の凍結スピード

はゼロカラ

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