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冷凍コラム

2024.04.16

急速冷凍とは?瞬間冷凍との違いやメリットについて徹底解説!

急速冷凍

急速冷凍とは、さまざまな冷凍食品で活用されている冷凍技術です。

素早く冷凍できるため、食材の風味を損なわずに長期間の保存に向いています。

 

今回は急速冷凍と通常の冷凍の違いとともに、どんなメリットがあるのか詳しく解説します。

急速冷凍の種類や適している食材についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

急速冷凍とは

急速冷凍は素早く食材を冷凍することで、一般的な冷凍方法よりも鮮度を保った状態で冷凍保存できます。

食材に含まれている水分が、最大氷結晶生成温度帯であるマイナス1〜マイナス5℃を30分以内に通過することが急速冷凍の特徴です。

 

ここで急速冷凍の仕組みや一般的な冷凍方法との違いについて、解説します。

 

そもそも冷凍食品の定義とは?

冷凍食品はただ食材を冷凍させるだけでなく、下記の4つの条件を満たす必要があります。

 

 

冷凍食品となる食品は、鮮度の高いお魚やお肉、野菜を洗い、ある程度調理しやすいように下処理が必要です。

たとえば、白身フライを冷凍食品として販売する場合は、あらかじめ三枚に下ろした新鮮な切り身魚をパン粉につけた状態で販売する方法があります。

冷凍食品が長く保存できる理由は、食品の組織が壊れないよう急速冷凍を活用しているからです。

 

また、急速冷凍した食品が汚れたり、型崩れしたりするのを防ぐためにも適切な包装は欠かせません。

生産してから消費者に届くまでの保管温度もマイナス18℃以下に設定が必要など、冷凍食品にはさまざまな条件があります。

 

急速冷凍の仕組み

急速冷凍がなぜ鮮度を保ったまま長期保存ができるかというと、食品の品質が損なわれる前に非常に低い温度で凍結させるからです。

引用:一般社団法人 日本冷凍食品協会

 

一般的な冷凍保存方法である緩慢凍結では、食品内部の水分が凍るまでのスピードがゆっくりのため、食品の組織が壊れてしまいます。

一方、急速冷凍の場合は食品内部の水分が氷結晶となっても小さい結晶で留まりやすく、食品の細胞が壊れにくいので、風味を保ったまま冷凍保存が可能です。

 

食品の組織が壊れてしまうと、解凍時も水分がドリップとして流れてしまい、うまみ成分が一緒に流れて美味しさが損なわれます。

このように食品の美味しさを保ったまま冷凍するには、いかに氷結晶を肥大化させずに素早く冷凍するかがカギといえるでしょう。

 

急速冷凍と緩慢冷凍の違い

急速冷凍と緩慢冷凍の大きな違いは「凍結スピード」にあります。

 

 

緩慢冷凍では食材の中心部が凍るまでに時間を要するため、冷凍中にできる食品内部の氷結晶が大きくなりやすいです。

氷結晶が大きくなると食品の組織が破壊されやすく、味や色合いが悪くなり、品質が落ちてしまうでしょう。

一方、急速冷凍であれば氷結晶が大きくなる前に冷凍できるので、風味を損なわずに高い品質が保てます。

 

急速冷凍の種類

急速冷凍にも種類があり、一般的な業務用の急速冷凍機には下記の3つが挙げられます。

 

 

それぞれ特徴が異なるため、一つずつ確認してみましょう。

 

冷風を用いるエアブラスト式急速冷凍

エアブラスト式冷凍は、食品に冷風を吹きかけて急速冷凍する方法です。

一般的な冷凍庫でもエアブラスト式冷凍を導入していますが、エアブラスト式急速冷凍庫ではマイナス30〜40℃程度の強い冷風を吹き付けます。

 

エアブラスト式急速冷凍庫は、ほかの急速冷凍方法よりもランニングコストが安価で、製品の数も多いです。

 

不凍液を用いるブライン式急速冷凍

アルコールなど凍らない液体に食品を漬け込んで急速冷凍する方法です。

食品をマイナス35℃近くの不凍液に漬けて冷凍させるため、エアブラスト式急速冷凍よりも冷凍ムラがありません。

 

液体は空気よりも熱伝導率が約20倍も高くなり、効率よく冷凍できるのも浸漬式急速冷凍の特徴でしょう。

 

液化ガスを用いる液化ガス噴霧式急速冷凍

マイナス196℃の液体窒素などを食品に吹き付けて冷凍する方法です。

液化ガスはほかの冷凍方法と比較すると割高のため、ランニングコストが高くなります。

 

凍結スピードが非常に速く、構造自体もシンプルでメンテナンスしやすいのが特徴です。

しかし、液化ガスによって酸欠したり、爆発したりと、事故トラブルが起きないよう注意しなければなりません。

 

急速冷凍のメリット

急速冷凍にはさまざまなメリットがあります。

食材の風味をそのまま保存できたり、生産量の増加が期待できたりと、急速冷凍だからこそのメリットも。

 

ここでは急速冷凍の代表的なメリットを5つご紹介します。

 

できたての風味を損なわずに冷凍できる

できたての料理をすぐに冷凍できる急速冷凍は、風味を損なわずに冷凍保存が可能です。

急速冷凍は食材の細胞が破壊されにくく、時間が経つとベチャッとしがちな揚げ物もサクサクな状態を保って冷凍できます。

 

また、お肉やお魚も通常冷凍では解凍時にドリップが出やすいですが、急速冷凍では大幅に抑えられます。

鮮度と美味しさを維持したまま、保存できるのは急速冷凍の大きなメリットでしょう。

 

添加物に頼らず長期保存できる

急速冷凍はその名の通り、通常よりも早く冷凍できるため、食材の細胞が破壊されにくく、長期間の保存が可能です。

防腐剤や安定剤などの添加物を使わなくても、風味の変化や変色、型崩れが起きにくいのは急速冷凍のメリットといえます。

 

近年、消費者の食に対する意識は高く、健康のために添加物を避けたい方が増えています。

急速冷凍であれば、添加物を入れずに品質の良い食材が長期保存できるため、食べる側も安心して食べられるでしょう。

 

フードロスの削減できる

長期間の保存に向いている急速冷凍は、フードロスの削減にも貢献できます。

急速冷凍した食材は鮮度を保ったまま長期間保存できるため、余ってしまった食材や作りすぎてしまった料理も廃棄せずに済むでしょう。

 

社会問題となっているフードロスは、世界中で年間約25億トン、日本では年間522万トンにもなります。

フードロスの解消は可燃ごみとして焼却処理する際のCO2削減にもなるため、急速冷凍の活用は環境保護にも役立つでしょう。

 

作業の平準化・生産量の増加が期待できる

急速冷凍は長期保存が可能で食材を短時間で冷凍できるため、作業の平準化とともに生産量の増加が期待できます。

保存期間が長くなれば、計画生産しても作り置き保存が可能となり、繁忙期や大量注文に合わせて増産する必要がありません。

 

大量に生産しなければならない場合でも凍結スピードが速いため、同じ凍結作業時間でも生産量が倍以上になる可能性があります。

 

急速冷凍に適している食材

 

急速冷凍はさまざまな食品の品質を長期間保てる冷凍技術です。

一般的に水分量の多く含む食材は冷凍に向いていないと言われていますが、急速冷凍であれば比較的風味を損なわずに保存できます。

 

ここで急速冷凍に適している食材を4種類ご紹介します。

生肉

牛肉や豚肉は元々冷凍に向いている食材ですが、急速冷凍を活用すれば変色や型崩れも防止できます。

ドリップの出やすいお肉も急速冷凍を活用すれば、美味しさをそのまま保存可能です。

 

解凍時も急速冷凍のおかげでドリップがでにくいため、そのまま幅広い調理を楽しめるでしょう。

 

魚介類

鮮度が美味しさに直結する魚介類も、急速冷凍に向いている食材の一つです。

急速冷凍された魚介類はお肉と同様に風味が損なわれにくく、ドリップもでにくいため、お刺身などにしても美味しく食べられます。

 

特にマグロなどの赤味、食感のよいイカやタコは、急速冷凍後も美味しく食べられるのでおすすめです。

 

果物

野菜は冷凍するとドリップがでやすく、べちゃっとした食感になりがちですが、急速冷凍すると長期保存に向いています。

水分量の多い野菜は急速冷凍でも解凍時に柔らかくなってしまう可能性がありますが、使いきれなかった食材を無駄にしなくて済みます。

 

ご飯やお惣菜など

ご飯やお惣菜など、急速冷凍は食材以外にも活用できます。

たとえば、お弁当を急速冷凍すれば、できたての味をそのままに美味しさがキープしやすいです。

 

近頃は冷凍のお弁当を販売している飲食店も増え、幅広いメニューをテイクアウトしやすいように工夫されています。

 

急速冷凍機を導入するには?

たくさんのメリットがある急速冷凍機ですが、導入する製品によって耐用年数や価格が大きく異なります。

冷凍性能や機能性が高ければ高いほど、急速冷凍機の価格も比例して高くなります。

 

ここで急速冷凍機の価格や耐用年数について、確認しておきましょう。

 

急速冷凍機の価格・耐用年数

一般的な業務用急速冷凍機の価格は、小型なものでも200〜300万円程度の導入コストがかかります

大きさや機能によっては1,000万円を超える製品もあり、導入する際は必要な機能や設置スペースなどを考慮して比較検討する必要があるでしょう。

さらに、急速冷凍機には電気代や補充用の不凍液、液体窒素など、ランニングコストもかかります。

ランニングコストも導入する急速冷凍機の種類によって異なるため、冷凍させる食材などを考慮して選びましょう。

 

また、国税庁の「減価償却資産の耐用年数」で急速冷凍機を確認すると、法定耐用年数は6年とされています。

減価償却の耐用年数は「使用できると見込まれる年数」であり、機械の寿命を表すわけではありません。

 

一般的な業務用急速冷凍機であれば、10年程度は現役使用できます。

使用頻度や機能、メンテナンス状況によって買い替えのタイミングは異なりますが、おおむね10年は使用できると考えてよいでしょう。

 

導入コストを抑えたいならリースやレンタルがおすすめ

急速冷凍機を導入したいけど、導入コストは抑えたいという場合には、リースやレンタルがおすすめです。

利用する急速冷凍機にもよりますが、安ければ月額数万円からリースできる可能性があります。

 

しかし、急速冷凍機は場合によって補助金制度を利用して導入できるケースがあります。

市区町村などでも補助金が活用できる可能性があるので、急速冷凍機を導入する際は補助金やレンタル費用についても確認してみましょう。

 

急速冷凍ならゼロカラまで!

 

急速冷凍にはたくさんのメリットがあり、フードロスなどの環境問題の解消にも役立ちます。

業務用の急速冷凍機は大きい製品が多く、食品倉庫が大きくないと導入できないとお悩みの方もいるのではないでしょうか。

 

ゼロカラでは省スペースでも、最大200kg/hまで凍結できる超高速凍結機「ZERO-03」を取り扱っています。

ZERO-03は食材を庫内で上下させて凍結します。

同じペットボトルの凍結実験では、他社の液冷凍結機よりも約2倍のスピードで凍結できた結果も。

また、機能面の確認や急速冷凍後の状態、解凍時の風味など、試食してから導入したい方にはテストキッチンも利用可能です。

 

テストキッチンは無料で利用できますので、急速冷凍機の導入を検討している方はぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた専門家(アドバイザー)

著者情報 ゼロカラ編集部

超高速凍結機、急速凍結機、液体凍結機、ナトリウム除去装置、凍結製造ライン設計の株式会社ゼロカラ

特許取得済み

“世界最速”の凍結スピード

はゼロカラ

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