和菓子屋さんで売られている、ぷるんとなめらかな「わらび餅」。その美味しさの秘訣は、職人の技と、希少な“本わらび粉”にあります。本来、わらび餅は蕨(わらび)の根からとられる本わらび粉でつくるのが伝統で、その繊細な食感は格別です。
しかしその一方で、日持ちせず常温での販売が前提。冷蔵・冷凍するとすぐに固くなってしまうという難点も。対して、スーパーなどで手に入る市販のわらび餅は、加工デンプンや甘藷でん粉(さつまいも由来)で作られており、冷凍してもある程度の耐性があります。
もし“本物”のわらび餅も冷凍保存ができたら——
和菓子屋さんにとっても、仕込み作業の効率化や遠方への発送、催事販売への展開など、さまざまな可能性が広がります。
そこで今回は、超高速凍結機「ZERO-03」で3種類のわらび粉で作ったわらび餅を比較凍結。“本物”のわらび餅は、冷凍保存に対応できるのか?その可能性を検証しました。
目次
以下の視点から比較実験を行いました。
使用したわらび粉は、3種類です。
(写真右から)
▶︎本わらび餅粉
蕨(わらび)の根から抽出されたでん粉100%。最も希少で繊細な食感が特徴の“本物”のわらび粉。
▶︎特撰わらび粉
本わらびの風味を残しつつ、れんこんでん粉や加工でん粉を配合し、扱いやすさを考慮した粉。
▶︎わらび餅粉
甘藷(さつまいも)由来のでん粉と加工でん粉を主とした、一般的な市販向けのわらび粉。
各わらび粉を使ってわらび餅を調製し、以下の手順で凍結・解凍を行いました。
1.各わらび粉、水、砂糖を火にかけながら練り上げてわらび餅を調製
2.「ZERO-03」で高速凍結、緩慢冷凍にて比較
3.流水解凍し、食感、風味、見た目を比較
(「ZERO-03」で高速凍結→解凍)
▶︎本わらび餅粉・・・もっちり&とろける口どけとなめらか食感が本格的。
見た目は冷凍→解凍してもそのまま。
原料は他と比較すると高価なため、本格わらび餅を訴求するのであれば、
「本わらび餅粉」を使用すると格段においしいわらび餅が味わえます。
▶︎特撰わらび粉・・・本わらび粉に近いもっちり感+透明感。
クセが少なく食べやすいため、手頃に本格風のわらび餅を作りたい方におすすめ。
▶︎わらび餅粉・・・主にさつまいも・とうもろこし・タピオカでんぷんなどを原料としていて、
色は白くて透明感があり、ぷるん&つるっとしたのどごし食感が特徴。
本わらび粉に比べるとシンプルでクセがなく、風味は控えなため、
大量仕込みにおすすめのです。
今後の展開
「ZERO-03」による高速凍結技術は、以下のような多くのメリットがあります。
・冷凍保存に不向きな和菓子にも対応可能
・仕込みの効率化、計画的な製造スケジュールが可能
・遠方発送・催事販売・ギフト対応の幅が広がる
・品質劣化を抑え、安定した商品提供が実現
わらび餅にとどまらず、くず餅や水ようかん、練り切りなど繊細な和菓子への応用も期待できます。
伝統の味わいを守りながら、時代に寄り添う技術で——
食の現場を支える新たな選択肢「ZERO-03」。
その可能性を、これからも広げていきたいと考えています。
Metoreeにも掲載しております
液体急速冷凍機の比較サイト
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この記事を書いた専門家(アドバイザー)
著者情報 ゼロカラ凍結研究Lab CFG
「ゼロカラ作る」を楽しむ超高速凍結機メーカーのゼロカラ。 "できないができる!"アイディアと凍結技術を融合させるシェフという立場で、新たな美食体験を創り凍結研究情報を発信します。
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