スーパーのセールでまとめ買いしやすい豚肉。すぐに使う分以外は冷凍するという家庭も多いと思われますが、冷凍後の賞味期限はどのくらいか、気になりますよね。
本記事では、豚肉の冷凍期限について解説します。
部位ごとの賞味期限や、正しい冷凍方法まで詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
目次
豚肉の冷凍期限はカットによって異なってきます。豚肉を冷凍庫に入れてからの賞味期限は約3週間、ひき肉に関しては空気に触れる面積が多いため、2週間が期限といわれています。
もちろんそれ以上の期間冷凍も可能ですが、品質が落ちるだけでなく冷凍焼けを起こす可能性があります。
冷凍焼けとは、冷凍中に食材の水分が失われ、酸化が進むことで起こるもので、表面は乾燥し通常のものよりも色が悪くなったり、食感が固くなったりしておいしさが損なわれます。
食材が痛む原因にもなるので、解凍期限を守ってなるべく早く消費するように心がけるのがおすすめです。
解凍後の豚肉は、なるべく当日中に消費するようにしましょう。一度冷凍し、解凍した肉は生肉よりも雑菌が繁殖しやすく、食中毒のリスクも高まります。
一般的に5度以下の冷蔵庫であれば2日以内が賞味期限といわれていますが、保存状態によっても左右されるうえ、時間がたってしまうと、風味が落ちたり細菌増殖の原因にもなったりするので注意しましょう。
また、解凍後の豚肉の鮮度にもよるので、解凍後の状態はしっかりと自分の目で見たり臭いをかいだりして判断するのも大切です。
スーパーに行くと、豚肉は部位ごとに細かく販売されていますが、ここでは部位ごとのおすすめの冷凍方法について紹介します。
ひき肉は表面の水分をキッチンペーパーなどでしっかりと拭き取り、小分けにしてラップをします。
ひき肉は豚肉の中でも特に品質が劣化しやすい食材なので、長持ちさせたい場合にはあらかじめ加熱しておいてから冷凍したり、保存のきく調味料を使った下味冷凍をしておくなど工夫すると長持ちします。
焼いたり、煮たりあげたりとさまざまな料理に活用できるスライス、小間切れ肉は使う分だけ分けて小分けにしてラップをします。
重ね過ぎてしまうと、お肉同士の隙間から酸化がしやすくなるので、なるべく1枚ずつ広げてラップをし、金属製のトレーなどで急速冷凍し保村容器に写して保存すると、品質を維持したまま冷凍ができます。
厚切り肉やブロックといった塊肉は、筋切りなどの下処理をしてから、1枚ずつに分けて冷凍すると、解凍後もスムーズに調理ができ時短にもなります。
また、カレーやシチューなど、煮込みに加える場合は細かくカットしてから使う分ずつに小分けにして冷凍したり、豚カツやステーキなどそのままの形で使う場合は丸ごとラップしたりするなど、利用用途に応じてカットするのもおすすめです。
冷凍保存は正しい冷凍法を行うことで、豚肉の品質を損なわず、おいしい状態をキープできます。冷凍時のポイントは以下の2点です。
では、順番に解説します。
豚肉に含まれている表面の水分は、冷凍時、氷の結晶になります。氷の結晶は肉の細胞を壊し鮮度や品質を下げる原因にもなるため、できるだけ小さな結晶にさせるよう、購入後はパックから取り出し、なるべく早めに冷凍庫に入れるようにしましょう。
急速冷凍が理想ですが、急速冷凍機能のない冷凍庫の場合は、熱伝導のいいアルミや金属製のトレーに置いて冷凍したり、保冷剤を使ったりすると早く冷凍ができます。
醤油や味噌など、調味料と一緒に保存袋に入れ保存する「下味冷凍」もおすすめです。冷凍中に調味料の味が豚肉に染み込むので解凍してすぐに加熱調理ができます。
忙しい日の夕飯や、お弁当のおかずの作り置きにも最適です。
冷凍保存で気をつけたい点は以下の3つです。
では、順番に解説します。
市販で売られている豚肉は、発泡スチロールのパックで梱包されていることが多いですが、発泡スチロールは断熱性が高く、冷凍庫に入れても冷気が伝わりにくいというデメリットがあります。
また、パックごと冷凍庫に入れてしまうと、パックとお肉の間にある空気が原因で豚肉の酸化が進み、劣化してしまいます。
そのため、豚肉を冷凍する場合は必ずパックから取り出し、ラップやジッパーなど保存袋で包んでから冷凍すると空気に触れず、冷凍焼けを起こさないのでおすすめです。
スーパーで購入した豚肉を家まで持ち帰る際に、パックの中に赤い水分が溜まっていることがあります。これは豚肉の内部から出てくる「ドリップ」というもので、肉のうま味やタンパク質、栄養素や水分などが肉から抜けたものです。
ドリップをそのままにして保存すると、臭みの原因にもなるので、外してからラップなどで包んで平らに冷凍すると、ドリップが出にくく、品質を保ったまま冷凍できます。
解凍した肉を再び冷凍してしまうと、豚肉の水分が抜け、風味が落ちてしまいます。家庭の冷凍庫は業務用の冷凍庫に比べ、温度が高く冷凍やけをしたり、食中毒の原因にもなる細菌が増殖してしまったりするリスクもあります。
衛生的にも危険なので、冷凍する際は使う分だけ小分けにし、解凍した当日中に使い切るようにしましょう。
豚肉の解凍方法も正しい方法で解凍しないと、お肉のうま味やおいしさを損なう可能性があります。豚肉の適切な解凍方法は以下の3つです。
では、順番に解説します。
冷蔵庫で半日〜1日使ってゆっくりと解凍していく方法です。時間はかかりますが、その分、均一に全体を解凍できるので、肉汁や風味が飛びにくいうえ、手間もかかりません。
前日の夜か、使う当日の朝に冷蔵庫に移しておくと、使う際に程よく半解凍されるので時間のある方におすすめの解凍法です。
冷凍庫から取り出し、保存袋に移してボウルで水を流し続けます。庫内解凍よりも解凍が早く、半解凍状態にもなりやすいです。冬の寒い時期には問題ありませんが、夏は温度が高く肉の表面温度が上昇しやすいので、こまめに表面の状態をチェックするようにしましょう。
急ぎの場合であれば、電子レンジの解凍もできます。冷凍庫から取り出し耐熱容器に移して低めのワット数で少しずつ解凍していきます。「解凍モード」のあるレンジであれば比較的ムラなく解凍できるのでおすすめです。
電子レンジでの解凍に慣れないうちは、一気に加熱してしまうと、火が通り過ぎて風味や味が落ちてしまうので、こまめに状態をチェックしたり、途中で裏返したりするようにしましょう。
常温解凍は、冷凍庫から取り出し部屋の室温で解凍していく方法ですが、置いていることを忘れて放置してしまうと、解凍しすぎてしまううえ、雑菌が繁殖しやすい環境に長時間晒され続けるというリスクがあります。
また、夏場には室温も上がり、肉の表面温度が急激に上昇し、肉汁や風味が飛んでしまうので、冷蔵庫や流水などを使って冷たい状態を維持しながら解凍するようにしましょう。
豚肉は使用頻度が高くスーパーの特売でまとめ買いがしやすい食材です。使い切れない分や、すぐに使わない分は賞味期限内に冷凍し保存期間を伸ばすのがおすすめです。正しい冷凍方法を知れば、いつでもおいしい状態で食べられるので、ぜひ参考にしてください。
この記事を書いた専門家(アドバイザー)
著者情報 ゼロカラ編集部
超高速凍結機、急速凍結機、液体凍結機、ナトリウム除去装置、凍結製造ライン設計の株式会社ゼロカラ
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