4〜5月が旬とされるたけのこ。シャキッとした歯ごたえが特徴で、春になると必ず食べるという方もいるのではないでしょうか。
たけのこは傷みやすい食品であるため、すぐに消費する必要があります。しかし、せっかくなら美味しいたけのこを長く楽しみたいですよね。
実は、たけのこは冷凍することで長期保存が可能です。ただし、たけのこの食感を生かしたまま美味しく保存するためには、いくつかコツがあります。
今回は、たけのこを美味しく冷凍する方法や、たけのこを使ったおすすめレシピを紹介します。
目次
水分が多く繊維質なたけのこは、冷凍保存に不向きなイメージがあるかもしれません。しかし、水分が抜けないように工夫することで、たけのこは美味しく冷凍できます。
あく抜きして皮をむいたたけのこは、冷蔵保存だと5日ほどしか持ちません。さまざまな料理に使えるとはいえ、5日では使いきれないこともあるでしょう。
冷凍保存の場合は約1か月程度持ちます。ただし、保存状態によってはそれよりも早く傷み始めることもあるため、なるべく早く食べるようにしましょう。
たけのこはアクが多い食品であるため、冷凍保存する場合もあらかじめアク抜きしておく必要があります。ここではたけのこのアクを抜く方法をおさらいしておきます。
たけのこは収穫直後からアクが増していくため、なるべくすぐに茹でるようにしましょう。イボが大きく紫色になった根元と、穂先を5cmほど切り落とします。
さらに、中の身に触れない程度の切り込みを縦に入れてください。切り込みを入れることで火が中まで通りやすくなり、かつ茹で上がった後に皮が剥きやすくなります。
下処理をしたら大きめの鍋にたけのこを皮ごと入れ、そこに米ぬか1カップと赤唐辛子1本を加えます。さらに、たけのこにかぶるくらいの水を注ぎ入れたら火にかけます。
はじめは中火~強火にして、沸騰するのを待ちましょう。沸騰したら弱火にし、落し蓋をして1時間ほど茹でます。
竹串がスっと通るまで柔らかくなったら、火を止めてそのまま冷まします。この時、すぐに茹で汁からたけのこを引き上げないようにしましょう。
熱いままでは、アクが抜けきらずにえぐみが残ってしまいます。茹で汁の中に入れたまま一晩冷ましてください。
下処理をしたたけのこを大きめの鍋に入れ、水と重曹を加えます。重曹は水1リットルに対して小さじ1程度が目安です。入れすぎると味に影響が出たり変色したりするため、気をつけましょう。
火にかけて沸騰させ、落し蓋をしたら弱火で30分ほど茹でます。たけのこが柔らかくなっていたら、火を止めて、そのまま自然と冷めるのを待ちましょう。半日程度置けば、しっかりと冷めているはずです。
なお、重曹を使う場合は米ぬかと違ってたけのこの隙間に入り込まないため、半分に切って茹でることもできます。こうすることでさらに時短できるでしょう。
アク抜きの処理をしたら、冷凍保存の準備をしましょう。そのまま冷凍すると、水分が抜けてスカスカになり、たけのこの食感が台無しです。
ここでお伝えするコツを参考にしながら、美味しく冷凍保存してみてください。
まずはたけのこを薄くカットしましょう。こうすることで早く冷凍できるだけでなく、冷凍によって食感が変わっても分かりづらくなります。
カットしたら密閉できる保存袋か保存容器に入れ、砂糖をまぶしてください。なお、砂糖の量はたけのこ1本に対して砂糖大さじ1杯程度が目安です。
砂糖には保水性があります。たけのこにまぶすことで、たけのこから水分が抜けるのを防ぎ、食感を保つことができるのです。
平らにならしてから空気を抜いて密閉しましょう。金属製のバットなどに乗せてから冷凍庫にいれれば、品質を保ったまま早く凍結できます。
だし汁に浸けるのも水分が抜けにくくなるためおすすめです。アク抜きしたたけのこを薄くカットし、だし汁と一緒に保存袋か保存容器に入れましょう。
なお、だし汁はそのまま調理にも使用できます。煮物や炊き込みご飯にする場合は、だし汁と一緒に使えて便利です。
冷凍したたけのこは基本的にそのまま調理に使います。すでに薄く切られているため、解凍してカットする必要はありません。
電子レンジや自然解凍することもできますが、水分が抜けやすくなるため、冷凍したまま料理に加えるのがおすすめです。
なお冷凍しておけば使いたい分だけ使って、残りはまた冷凍して保存しておけるので便利です。
冷凍したたけのこは使い勝手がよく、さまざまな料理に活用できます。しかし、たけのこのお刺身のように鮮度が重要な料理には不向きです。
ここでは冷凍したたけのこでも美味しくできる、おすすめレシピを紹介します。
【材料】
【作り方】
炊き込みご飯は冷凍たけのこをそのまま使えます。炊飯器にセットすれば、あとはほったらかしで美味しく仕上がるので手軽です。
お好みで人参などの具材を足すと、彩りが増して栄養価もアップしますよ。
【材料】(2人分)
【作り方】
土佐煮は、しょうゆ味の煮物にかつお節を加えた高知県の郷土料理です。濃いめの味付けが、歯ごたえのあるたけのこの食感とよく合います。
あと1品欲しい時や、おつまみとしてもおすすめです。冷凍たけのこがあれば短時間でできるでしょう。
【材料】
【作り方】
たけのこを使ったメンマ風のレシピです。たけのこと調味料さえあればできるため、おつまみが欲しいときにぴったりな1品でしょう。
煮詰める際には焦げ付かないように注意してくださいね。
今回はたけのこを美味しく冷凍するコツについて紹介しました。たけのこは水分が多いため、冷凍すると食感が変わりやすいのが難点です。
そのため、砂糖やだし汁を使うなど、水分量を保つ工夫が必要になります。アク抜きも必要なため少々手間はかかりますが、その分美味しい状態のまま長く保存できますよ。
旬の時期が短いたけのこは、冷凍保存を活用して上手に使い切りましょう。
この記事を書いた専門家(アドバイザー)
著者情報 ゼロカラ編集部
超高速凍結機、急速凍結機、液体凍結機、ナトリウム除去装置、凍結製造ライン設計の株式会社ゼロカラ
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