ゼロカラの超高速凍結機「ZERO-03」は、超低温の液体に商品を漬けることで急速凍結する液体浸漬タイプの凍結機です。商品の熱を取り去る吸熱と排熱に特許技術を導入することで、従来型と比べて熱交換効率が4倍に向上。生産性や解凍後の復元性が高いことから、高品質な鮮魚や精肉を提供する現場で導入が進んでいます。
今回は、東京都内で冷凍ホルモンを販売する精肉卸のご担当者に、「ZERO-03」導入の経緯についてお話を伺いました。
目次
──店舗における事業内容を教えていただけますか。
当社では、精肉卸としてプロ向けに高品質な牛肉を供給し続けてきたノウハウを活かし、2022年に一般消費者向けにホルモンの販売を始めました。仕入れた当日中に加工した新鮮な内臓肉を超高速凍結し、都内の直営店と自動販売機で販売しています。ハラミ、小腸、タン、ミノ、ギアラなど、焼肉店でおなじみの部位をご家庭で楽しんでいただける品揃えとなっています。
──「ZERO-03」を導入した決め手は何でしょうか。
ホルモンは、まさに鮮度が命です。流通工程で水分を含みやすく、酵素によって「自己消化」が進みやすいため、品質管理は時間との戦いでもあります。加工後も劣化が早いことを考慮すると、チルドでは品質や在庫の管理が困難なことが想定されました。そのため、凍結したものを流通させることを念頭に、機材を探していました。
鮮魚や精肉の品質を保つ急速冷凍技術が普及する中、テレビCMや番組でゼロカラの存在を知りました。業界でも「凍結機といえばゼロカラ」というほど認知度が高い点も、導入のきっかけとなりました。
加えて、冷気で凍結するよりも液体凍結タイプの方が肉質を痛めず、解凍時のドリップが出にくいことも重視しました。ドリップは臭みの原因にもなるため、ホルモンの品質維持の観点から最適と判断しました。
──品質管理で特にこだわっている点はありますか。
仕入れから凍結までのスピードを重視しています。毎日東京都の食肉市場から仕入れた新鮮な内臓肉を、人の目と手でしっかり検品し、血管や腫瘍などの不要部分を取り除きます。その上で、次亜塩素酸水での洗浄など、臭みを軽減するための下処理を徹底し、当日中に真空パックに詰めて凍結します。
──超高速凍結を導入して感じたメリットを教えてください。
解凍時の鮮度の違いは、目に見えて分かります。普通に冷凍したものと比べて、ドリップが少なく、ほとんど生の状態と変わらないほど新鮮です。自宅で解凍して食べるホルモンとして、焼肉の専門店かそれ以上の品質を保って販売していると自負しています。
液体による均一な凍結でムラがないこと、作業時間を短縮できる点も特長です。多い日には400~500パックを、5人体制で作業しています。臓物は数キロ単位で仕入れることが多く、それを小分けして真空パックにすると相当な数になりますが、1回の凍結が約20分で完了するので助かっています。
内臓肉は、入荷量が日によって変動し、歩留まりが悪い傾向があります。素早く処理し、入荷から数時間以内に凍結することで劣化を防ぎ、食品ロスを削減しながら在庫管理できている点もメリットですね。
──消費者からの反応はいかがでしたか。
「ここのホルモンは全然違う」と品質を評価いただき、リピートで購入されるお客様が多いです。特に牛の小腸を使った「鍋セット」は人気商品で、臭みが少なくプリッとした食感が好評です。
また、チルドであれば製造日を含めて3~4日程度の賞味期限が、冷凍することで約180日まで延長できています。そのため、「ホルモンが日持ちする」という点においても好感触です。一方、流水解凍で15分程度で解凍できる手軽さも評価されています。例えば、仕事から帰宅後、着替えている間にさっと解凍して食べるといったライフスタイルに合っているかもしれません。
──今後のビジネスにおいて、超高速凍結機を活用した展望があれば教えてください。
シビアな品質管理が求められるホルモンを超高速冷凍することで、チルド並の美味しさで提供できているのが当社の強みです。入荷に限りがあるため、一気に生産量を増やすことは難しいですが、お客様の反応を見て、引き合いが強いことは感じています。今後も「ZERO-03」を活用しつつ、新たな商品や惣菜を開発していきたいです。
この記事を書いた専門家(アドバイザー)
著者情報 ゼロカラ凍結研究Lab CFG
「ゼロカラ作る」を楽しむ超高速凍結機メーカーのゼロカラ。 "できないができる!"アイディアと凍結技術を融合させるシェフという立場で、新たな美食体験を創り凍結研究情報を発信します。
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